部屋のように過ごす庭 / 8ninriki.jp
Review


2015.05.22
01n+
部屋のように過ごす庭


writer
小林 哲治

 

02n+

 

建築:呼子のコートハウス / 佐賀県唐津市

設計:中村文典 / n+archistudio

 

イカもオニギリも食べる余裕もないけれど、呼子まで弾丸トラベル、中村文典さんのオープンハウスへ出かけてきた。

 

中村さんが設計する住宅のテーマとして「庭での過ごし方」をみることができる。

中でも敷地に余裕がある場合は、率先してコートハウス型の住宅を設計してきた。

日本においてコートハウスは、プライバシーを得がたい都市部で見かける手法である。

が、氏は面白いことに都市部よりも郊外や田園部の住環境で積極的に用いている。

 

03n+

 

ここからは勝手な私の憶測だが、中村さんは庭に「もう一つのリビング」のような役割を与えているように感じる。

樹木や花を愛でたり、畑や物干し場のような実用性よりも、家族が過ごすリビングとしての庭だ。

そのために住まい手が部屋として無意識に扱えるよう、今回も細かい工夫が施されている。

例えば中庭なのに小上がりのような高さが与えられていたり、リビングの延長として天井と軒裏が白くつながっている。

これらは屋内の延長であり特別な部屋であることを示唆しており、実際に入ってみると、各部屋と心地よい距離を確保した開放的な居場所になっていた。

 

また、リビングの窓を通して見える緑と、上部に抜ける空の境界を屋根が隠すことで、それぞれに適切な焦点と奥行きを与えており、

田園部の長所である良質な外部環境の取込みにも成功している。ある意味リビングより快適かもしれない。

 

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古い集落でも、母屋と長屋門に囲まれた中庭を見ることができるが、これらは農作業や鶏の飼育等に使われる大きくて実用的なものであった。

対して「呼子のコートハウス」は、夜も過ごせる部屋のような小さい中庭で、現代の暮らしに添ったあり方を提案している。





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