『敷地条件から読み解いた心地よさ。』 / 8ninriki.jp
Review


2015.08.2
013
『敷地条件から読み解いた心地よさ。』


writer
平田大和

「久山の家」
設計 class

建築行為は色々な制約や制限があるから面白い。

その中でもよく遭遇する敷地条件の一つに「崖地」と言うものがある。

※隣地との高低差が3mを超えるものに「崖条例」という条例が適用される。

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傾斜地や変形敷地は設計意欲を多大にそそるものだが、崖地と言うものはそれに増して「崖条例」と言う行政による建築規制がかかってくるので特に厄介である。

今回の敷地は東側に丘というには高すぎる山の斜面。北も山。南に迫る隣家、西側に道路。

というまぁがんじがらめの敷地条件である。

この敷地条件に、ココに住まわれる施主の要望、家族構成からくる余条件が覆い被さってくる。

好きな映画に例えるなら、正に日本初ハリウッド映画バイオハザードさながらに、倒しても倒してもモンスター?がやってくるのである。

さて、この状況にアリスいやclassはどう読み解き、立ち向かうのか?

私はワクワクしながら久山ロードショーを訪れた。

細い通りを突き当たり迄進むとそれは突然現れた。清々しい木地と淡いグレーの塗り壁のコントラスト。
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そして可愛い家型のゲート。

そのゲートをくぐるとコートハウスのように隣家からの視線をカットした広がる庭。目の前に山が迫っているのだが、そこに程良い距離がある為に圧迫感が無い。

なるほど!崖条例を逆手に取って、斜面から一番遠い場所に建物を配置して、南北に長い、いつも明るい庭を獲得したのだ。

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ということは、当然家も南北に長い。そして実は南を閉じている。

暗いのでは?って思うのは当然のことである。

僕は玄関ではなく、ゲートの下にある木製のサッシから室内に入った。
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「明るい!」

スキップフロアの上階の東側に設けた木製窓から入る光が、白い壁を反射して注ぎ込み十分な明るさを確保している。そして1・2階を一体的につくることによる爽快感と一体感。

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崖から離し南北に長く大きなボリューム、高低差のある敷地に逆らわず室内に表したスキップフロアにより高さ方向にも奥行きを出した空間は単純に気持ちいい。

もうそこにはモンスターなんて存在しない。笑

一通り歩き倒した後、帰ろうと入って来た引き戸の奥に目をやると。。。

そこにはバイクギャラリーが!!!珍しい大型バイクの他にアメリカ製ロードバイク(自転車)も。
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実はゲートの右側の部屋は、バイクギャラリーだったのだ。半階上がったリビングから見下ろすと大好きなバイクがいつも眺められる!!!!施主に取ってはこの上ない喜び。うまい酒が呑めるというものである。

この家は、敷地条件を巧く読み解く事により、プライバシーと開放的に繋がる家の内外を獲得した好例だと言える。





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