建築の立ち居振る舞い / 8ninriki.jp
Review


2015.12.27
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建築の立ち居振る舞い


writer
平田大和

R1021379

皆様ご無沙汰しております。

気がつけばもう年末。
も〜い〜くつ寝るとお正月ですね。

最近お休みがなくて、大好きなお山にも行けず。。随分心が痛んでる平田です。

今日は久しぶりに糸島の立石山に登って自然の中で絶景と朝ご飯を堪能して来て癒されてきました。笑

心が久しぶりに綺麗になったので、今回はちょっと真面目なお話を書いてみようと思います。
さて、【建築の立ち居振る舞い】この言葉自体は僕が考えたものではなく、何処かで聞いて来てとても心にすっと入って来たフレーズです。
最近はこの事をよく考えながら設計しています。

言葉だけ聞いていると仰々しいタイトルなのですが、簡単に言うと、その建築がその周囲や景観、風景に対して及ぼす事、及ぼすであろう事です。

建築物を設計しているとついつい近視眼的になって、そのものを中心に全体を見ちゃいます。極論を言えば、建てる人(施主)や設計する人が満足すればそれで良いのでしょうが、その時にひと呼吸於いて、全体の中の、今後の時間の流れの中の、その建築ってどう有るべきか?って考える事も大事だな〜って思うのです。

例を2つ程あげてみたいと思います。
ひとつ目は、糸島市のとある田舎でのリノベーションです。

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(上記の写真の建物が、改修後この様に変わっています。)

南側の山を背に、前面に畑が広がり、その先には玄界灘を臨みます。そして、その廻りには昔から建っている家達が思い思いにそこで営まれる暮らしを背景に佇んでいます。

その中の一棟を内外リノベーションしたのですが、外観を計画する際にどう有るべきか?どうしたいのか?を考える事が大事なのかな?と。
僕はココには新しさは必要なく、どんなに手を加えても、昔からそこに有った様な。リノベーションした事を知らない人が見たら昔からそうだった様に感じる。調和した景色で有るべきだと考えてデザインしています。この計画は昔から流れる長いこの地域の歴史の一部としての「納屋」のリノベーションなので、その流れをそっと受け流す様なイメージです。

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二つ目は、出来て30年〜40年経つ福岡市内の新興住宅地に於ける新築です。
新築と言っても、つい最近までそこには以前までは30年くらい経つ住宅が経っていた訳で、その住宅の建替えと言っても良いかもしれません。住宅の設計がどうだと言うのはこの際置いといて、そこにある建築がどう立ち居振る舞うべきなのか?

ココでは、調和ではなく不調和。違和感を選びました。木材を使った外壁のこの住宅は明らかに異彩を放っています。
この周囲には団地が出来た当初から建っていて、今後立替やリフォームをされるであろう住宅が沢山有ります。その中に建ったこの住宅は現状違和感でしか有りません。但し、例えどんな新築が建ったとしてもやはり見る人は違和感を覚えるでしょう。

だとしたら、この先10年、20年、30年、でこのマチがどう変わって行って欲しいか?どう変わるともっと豊かなマチになるだろうか?これからそれを考える方たちのひとつのキッカケになる様な建築を!と考えたのです。
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量産型の住宅の様に、無機質な材料。フェイクな衣装を纏った素材でノーメンテナンスを詠っている材料。を使うべきなのか?
形状は今風のBOX型?昔ながらの家型?はたまた?
僕ら建築士は色々な選択肢の中から、コスト、環境、好みのデザインなどを考慮しながら、様々な物事を決定し提案して行きます。

僕は朽ちる素材を提案しました。素材を風雨から少しでも守る為に軒の深い形状。
刻一刻とこの素材は表情を変えます。住むご家族と共に家も歳を取って行くのです。
それは劣化ではなく変化。時間の経過で人の表情が変わる様に、建築の表情も変わる。そうやって建築は資産としてではなく、家族の一員となって行く。そんな家達が集まった30年後の団地は素敵だろうな〜なんて悶々と勝手に妄想してる訳です。。やはりオタクですね。

何となく素材の話っぽくなっちゃいましたが、お話ししたかったのは、『建築の立ち居振る舞い』のお話です。

ただ、これ以上妄想話を書いていると、本当に話が長くなりそうなのでこの辺で。

これを読んで頂いた皆さんも、ご自身が何らかの建築に携わる際、ひと呼吸置いて、その建築のこれからの立ち居振る舞いを想像して頂けたら幸いです。

そのひと呼吸でそのマチは、より良いマチに近づくのでは?と勝手に妄想しています。

それでは皆様、良いお年をお迎え下さいませ。





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