建築家は予言者か? / 8ninriki.jp
Review


2016.01.12
P2
建築家は予言者か?


writer
伊藤 憲吾

怪しげなタイトルから書き始めてしまい、最後まで読んでいただけるのか・・・?いささか不安ではあるが書き進める事にします。
こんばんは、伊藤憲吾@大分県です。
写真は、私たちの事務所が設計をさせていただいた「まちなか案内所」という仮設建築です。大分駅の北側の歩道上に建っています。この建築の事を少し説明するところから始めます。(写真:イクマサトシ)

この建築は「CLT工法」という構造でできています。CLTとは、木材を直行させながらつくられるパネルの事で、非常に強いパネル部材です。世界ではこの工法により、木構造でありながら10数階まで高い建物ができはじめています。日本でも法整備が進み、今後が期待されています。詳しくはこちらをご参照ください → 一般社団法人日本CLT協会

 

この工法に期待されている事は多いです。いくつか列記します。

・国産木材の活用ができます。(現在の国内木材使用量は7割が外国産材です。)

・木材を建築に使う事で環境問題に答えます。(炭素の固定化)

・鉄筋コンクリートなどに比べ、建築が軽量化され構造的負担が減ります。

・生産時、解体時のエネルギーが抑えられ、自然に戻りやすいです。

・構造体そのものの断熱性能が向上します。

などなどです。

 

人口減少が始まった日本において、建築が供給過多となってきました。建築は余っています。今後、建築を新築することは減ってくるでしょう。そうしなければいけない状況が想像されます。恐らくは、環境にも経済にも可能性があり、文化的な位置づけも行いやすい木造建築が注目されていくことと思います。この工法は、都市部のビル建築の選択肢となると思われます。森林県の大分県ならなおさらです。大分県は木質都市と呼べる日が来るかもしれません。

そんなことも考えながら、当時、この仮設建築を設計していました。

 

・・・これなんです。

いつの間にか、私は未来を予想しながら建築を設計するようになっていました。いつからかはわかりませんが、建築は未来に向けて造るのだから、当然なのだとも思います。

 

建築というのは出来る事が目的ではなく、その後に使われ続ける事が目的です。例えば、東京スカイツリー。誰が壊されることを想像しているでしょうか?いつまでもそこに在ると思っていませんか?建築をつくるというのは、変わらない未来をつくるようなものなのです。永くそこに在る物として、風景をつくる気持ちが必要です。

 

設計をしている今の判断だけでは、ダメなことも多いです。将来への可能性を含め設計しなければいけません。それは機能的なものだけでなく、姿形もそうです。今の流行や、今のスタンダード、そういった事だけでカタチを決めると、長い視線に耐えられない事もあります。未来に理解されればいい、そんな姿勢もカタチを決める一つです。そう言った意味で、国立競技場のザハ案は素晴らしかったと思う、、、っと、この話は長くなるのでやめます。

 

 

ちょっと切り口を変えます。

 

 

もし、予言者という人がいるならば、謎めいたパワーを見せるのかもしれませんが、恐らくそのタネは統計学だと思います。いくつもの統計を重ね合わせ、共通項で見えてくる事柄が予測できるかどうか?そんなことではないでしょうか?

 

建築家は建築をつくるうえで、たくさんの物事を重ね合わせて考えます。クライアントの要望はもちろんですが、その時の経済性、時代性、技術力、学術性、人間性、美しさ、などなどを考えます。そして、それらを全て未来に向けて考えています。・・・これって予言者じゃないか?そんなことを思うのです。

 

建築家は予言者。

 

あながち、間違っていないかもです。

 

さて、このお話し、何とか最後まで書いてみましたが、、、信じるか信じないかはあなた次第です。ではまた。





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