丸太市場へ競りに行く! / 8ninriki.jp
Project


2016.01.29
1-写真 2016-01-19 10 42 56
丸太市場へ競りに行く!


writer
満原さなえ

先日、佐賀県森林組合連合会木材共販所の競りへお邪魔しました。
普段は一般人の競りへの参加はできませんが、今回は「林業女子会@さが」による勉強の一環での参加です。

普段建築に関わっていて、多く目にするのは柱や板材といった製材品。その手前には、製材所が丸太市場から買い付けを行う、という流れがあります。
そのさらに手前に、林業家さんが山で木を伐採し、玉切りし、市場へ運んでくる、という流れがあり、
さらにそうなるためには、枝打ちし、頃合いをみて間伐をし、林道を整備し、山の手入れをしながら木を育てていく、という時間があります。
その最初の段階が、植林。おおよそ50年とか60年も前の話に遡ります。

長い長い時間です。

さて、そのようにして市場に来た丸太たち。
どのくらいの金額で買えるか、ご存知ですか?1-写真 2016-01-19 10 19 18

雪がちらつく激さむの中でこの日行われた競りでは、杉材で10,000/1m3前後。
はい、ここでミニ解説・・・。
木材の単価は立米(m3)単位であらわされます。
これは体積の単位ですが、計算の仕方が通常とは違いやや特殊で、丸太の体積は 末口の直径の2乗×長さ で計算します。
(末口というのは細い方。山で木が立っている状態でいうと葉先の方のこと。)

ので、例えば・・・ 末口200mmで長さ3mの木材は、1本当たり 0.20m*0.20m*3m=0.12m3 となり、1m3になるには8.3本が必要となります。1-写真 2016-01-19 10 44 34

ということは・・・
仮に1m3あたり11,000円とすると、11,000円÷8.3本=1,325円/本 という計算です。
これはこの市場のこの日がどうこう、というものでもなく、平均的なもの。
この数字にどういう感想を持ちますか?
(ちなみに、杉の価格は40年前の昭和51年がピークだったそうで、その当時で36,000円/m3だった、とのことです。)

1-写真 2016-01-19 11 33 22

(同じ日、山の上の市場は真っ白!!)

戦後植林され、育てられてきた木材資源を有効に利用しようと、公共建築物の木材利用促進を法律で定めたり、新しい工法による建物に各地で取り組まれ、東京オリンピックのスタジアムも構造に木を取り入れた案となりました。
また、建築以外でも灌漑事業やバイオマスエネルギー事業などによって、これまで建築材として使えず安価で取引されていた小径木がこれまで以上に活用されるようになり、価格も上昇している、とのこと。

いい動きだとは思いますが、一方で無計画な伐採が起きたり、植林や森林の保護が追い付かない、ということにならないようにしないと、50年後の未来にまた今とは逆の問題で山を苦しめ山に苦しめられることになります。
林業を成り立たせ、未来につなげていくには、消費する側も「知る」ことが必要。
愛情とビジネスとのバランスが、大切なようです。

丸太からいろんなものが見えた一日でした。

 

 





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