素材の無償性 / 8ninriki.jp
Reserch


2016.02.21
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素材の無償性


writer
満原さなえ

”—-無償であるとは、ほんらいなにもののためにあるのでもなく、そのもの自身としてあるものということだ。樹は、柱や板になろうとして生えたわけではないし、砂利はコンクリートの骨材になるために存在するわけではない。—-(中略)—無償性とは、いいかえれば自然との連続性ということであり、建築の無償性もまたしかりなのだ。”  「左官礼讃」/小林澄夫/より

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昨年9月より月に一度、土のオーブン(アースオーブン)作りに参加していました。
山から土を掘り、乾かして、砕き、ふるい、練り、固めて、並べて、くっつけて、塗って、乾かす。

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ひたすら地道で、地味で、根気のいる作業。とても一人ではやる気が続きません。
人が集まった時の力の大きさとありがたさを痛感します。

 

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土は、水や砂を加えることで、カタチを作る日干しレンガになったり、それをくっつけるためのつなぎになったり、仕上げのための塗り材になったり。

 

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この変化を手の感触で味わいながら楽しめるのも、オーブンづくりの面白さ。

 

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コツコツとまあるいオーブンが出来上がり、そしてついに先日、初の火入れとピザ会が開催されました。

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ただ山の一部であった土が、人の手を経て、火をくるみピザを焼くオーブンへと。
これから人々の中心にいる間、この土はただの土ではなく、アースオーブンとしてあり続けるでしょう。壊れたとしてもまた足元にある土で補う方法を私たちは知っています。

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しかし、人の手が離れていけば、そこからオーブンはゆるやかにカタチをなくし、ただの土へと戻っていく。

土は、5か月かけて土以上の価値を与えてくれたはずなのに、土以外のなにものでもない。
無償性とは、なにもないからこそ、大きな大きな存在なのです。


 





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