さようなら、建築 / 8ninriki.jp
Review


2016.03.21
写真 2016-03-20 18 30 49
さようなら、建築


writer
伊藤 憲吾

「カタチあるものはいつか無くなる」

これは自分の信条でもありますし、万物に共通するものと思います。時折、建築は永久にそのままかと勘違いされるような事があります。法隆寺は1000年も続く木造建築ですし、ピラミッドはどれぐらい前のものなのか。。。住宅建築に関しては投じる費用が高額なので、そう思わせる気もします。それでも建築はいつか無くなります。

以前もここに書きました「まちなか案内所」がいよいよ解体されることになりました。1年間だけの仮設建築でしたので予定通りの解体です。余命宣告通りの解体です。生まれながらの宿命でした。

 

たまたま、造っている時の写真が出てきたので、眺めていますとアレコレと思いだします。

 

2週間という短い工期の半分以上が雨でした。CLT工法の施工に挑戦してくれた山佐木材さん、大変でした。写真 2015-04-06 16 50 30

わずかな晴れ間を縫って構造体が見えた時は嬉しかったです。

 

 

友人のランドスケープデザイナーの力を得て外部空間も設えました。人工芝の再認識にもなりました。

写真 2015-04-14 10 47 39

 

完成間際にカウンターテーブルなどのリクエストを貰い友人の大工さんに無茶ぶりでつくってもらいました。

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サイン工事が完成したら現場監督さんと「いいね~」と見上げて、建築を共同でつくる楽しさを改めて感じました。
写真 2015-04-14 15 30 41

 

1年間の運営期間に色んな声が聞けました。
(そういえば八人力のメンバーも来てくれていたんですよね!)

運営されている方の声はもちろん、街の人からも声をもらいました。けして、ほめられてばかりでは無く、厳しい声も頂きました。

それでも概ね、喜んで愛された建築だったように思います。嬉しい事に、様々な価値観を感じていただき、惜しむ声も聞こえてきました。

 

あれから一年が経ち、

やっぱり予定通りの解体が始まりました。

昨日の時点で、ガラスや建具が外され元の構造体だけに戻りました。

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建築は比較的に長寿命です。大震災などの大きな災害が無ければ、ほとんどは人間の都合で無くなります。経済的都合が多いです。逆を言えば、人間の都合で生き続ける事もあります。

仮設建築は法律で一年間までと決められています。行政の予算も年度が変わる時には前もって予算計画しなければいけません。決められた通りに解体されて当然です。規制、ルール、経済性、守らなければいけないモノはあります。

でもしかし、それを乗り越えることは本当に不可能なのでしょうか?人がつくったルールなら人が変える事も出来るはず。その為には声を挙げることも時に必要です。

 

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私の住む大分市にはアートプラザという建築があります。解体予定だった建築が多くの声を受けて、別の機能となり残りました。もちろん、これは大建築家 磯崎新氏の影響が強くありますが、名作で無くとも使い続けるべき建築はあるように思います。

建築が経済行為である事に変わりはありませんが、愛される建築が生き残り使われ続ける。我々はそんな理想を夢描いてもいいと思うのです。

愛される建築を造ろうとする原動力が無ければ、良い建築にはならないと思うし、大切に思う事も出来ないと思います。

本当の意味で長寿命建築になるのは技術では無く、共に過ごしたいと思える大切な建築であることだと思います。

 

感傷的になってしまいましたが、これも造り手側の想いです。造った建築に対して想いがあるからこそ悲しくもなります。

 

さようなら、建築

さようなら、まちなか案内所

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ここに在った記憶までが無くならない事を祈るばかりです。

 





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