ハードルを、恐れない。 / 8ninriki.jp
Review


2016.04.17
mnm
ハードルを、恐れない。


writer
岡本つよし

 

熊本地震の被災者の方へ謹んでお見舞い申し上げます。

余震や2次災害がある最中のブログUPをご容赦下さい。

 

課題:「ハードルを、恐れない」。過日4月15日、八人力でもお世話になりましたダイスプロジェクトさん主催のイベント「穴バー」に参加。ゲストは熊本を中心に大きな地震が襲った最中、さすがに中止と思いきや7時間以上掛け福岡にお越し下さった「もじょか堂」さん。熊本は「水俣」という地で食を通じた地域活動を実践されているユニット。さて、この水俣という地、1997年に国の安全宣言が出され今となっては昔の話ですが、恵まれた水源・豊穣な海と大地を擁する水俣は、戦後から半世紀ほどの間「水俣産」というだけで不買、という史実がありました。地元の漁師さんはじめ一次産業従事者は、後ろめいた念に駆られる時代もあった。もじょか堂さんは、過去の史実と地方というハードルを厭うことなく、いまや胸を張り生産に勤しむ方々の思いと表情を消費者に伝え、豊かな食材を全国に提供している。実際に取扱う食材はすべて代表の澤井さんが、時に親の年齢をも上回る生産者の元を訪ね直接話を聞き、こだわりを共有した上で販売。シャイな生産者さんが多い中、澤井さんはその代弁者としての役割を担う。同じベクトルな「生産者揃い」である。

 

そんな「もじょか堂」さんの原点は、まず澤井さんが自宅で鶏を飼いはじめることからスタート。なかなか卵が生まれず10ヶ月後にようやく産まれた1つの卵。しかし産みの苦しみを経た鶏とその卵に愛情が生まれ食べれなかったそう。たしかに温めれば新たな生命が誕生する訳でコレは無理もありません。かなり悩んだでしょうネ。だたし「農業ビジネスに携わりたい」という初心に顧り、家族会議と自身熟考を重ね食したそのおいしさに感動。養鶏の世界に魅了されたそうです。餌にこだわり収穫した卵を地元の小売店さんに売り込み置いてもらったことが「もじょか堂」さんのビジネス原点。しかし猛威をふるった鶏インフルエンザを契機に業態転換。今では地元の農産物や加工品を中心に、水俣市内の実店舗とネットでの販売、飲食店への卸も行うほど販路が増加。また日照時間が長い水俣の地を活かし、海外留学時代に出逢ったアボカド栽培を実践中。近いうちに国産アボカドの商品化構想もあるそうです。

 

いずれの食材も生産者の顔と気持ちが見える食材であり、その意と美味しさを汲んだ販売店や料理人が絡み、結果として「それが欲しい」と思う消費者に届いており、この流れが「点から面」の様相を呈している。もじょか堂さんが担うニーズマッチングの役割とその仕組みが動き始めている証拠かと。それは昨年末からスタートした事業である四半期1回発行の「水俣食べる通信」という紙媒体でも確認できるようなった。購読制の紙面は大変レベル高い仕上がり。紙面と共に特産品も送られてくるのが肝。生産者と消費者を繋げる事業だと実感。ふんわ〜りと収益構造などをザックリお聞きした後、最後に「水俣だからこそ、食を通じ生産者と消費者の距離を縮め、それを発信していくに意義がある場」という言葉はグッときた次第。

 

今回、生産者と消費者を結ぶプロフェッショナルである、もじょか堂さんの澤井さん、「水俣食べる通信」編集長の諸橋さんと直接お話を伺い、たくさんのヒントを得ました。私自身、福岡市内の商店街であったり熊本の奥深い山村エリア活性化の一環で、新鮮野菜を産直販売するイベント開催の一助に携わる立場にもあります。で、端的に言えば「顔の見える食材とアプローチ手法」はヒントになりました。一方、客付けもままならない老朽不動産、あるいはシャッター商店街というキーワードを彼らの行為に置き換えたならば、事業リノベーションにおけるアプローチ手法、また商店の活性化において斬新なヒントにも繋がりました。

 

震災翌日のイベントで熊本エリアの交通網が著しく寸断される中、水俣よりお越し頂いたもじょか堂さん。また現在も続く熊本や大分エリアに渡る断続的な余震、そして被災に不安と憔悴の状況におかれた被災住民の皆様、救助活動に携わる皆様など。末筆でありますがエールを送らさせて頂きます。小生、阪神大震災後の神戸に赴任したこともあり、微力ながら自身が出来ることは何かと自問自答しつつ。「 WITH THE KYUSHU 」@九州と共に。

 

 





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