負けましたよ。またコンペで負けましたよ。
こんにちは。伊藤@大分です。
愚痴るつもりはないですが、参加した者として思うところは多くなります。
先日、大分市主催で建築のコンペティションが開催されました。コンペの題材は「トイレ」です。
公共建築は入札で決まる事が多いです。入札、、設計費用が安ければ仕事が取れる仕組み、それって変じゃないか?と思います。公共建築の設計者の決め方はどうあるべきか?そんな事を書きだすと長くなってしまいますので、このへんにして、参加したコンペの概要を簡単に説明します。
・大分市の中心である大分駅の目の前の広場に出来る。
・トイレンナーレというアート企画と連動している。
・近隣商店街との関連性がある。
主にそういった要素がありました。コンペを開催する要素が多くあった気がします。
自分自身としては応募するかどうか随分悩みました。そのエリアのまちづくりに長らく意識を置いてきていて、そこにトイレをつくることにも疑問がありました。しかし、参加しなければ言えない事もあると思い、八人力メンバーでもある矢橋さんの協力を得て共同応募としました。(模型作製および写真は全て矢橋徹建築設計事務所)
一次審査は通過し、二次審査の公開プレゼン(5社)までコマを進める事が出来ましたが、残念ながら落選です。
落選案を語る事は情けなくもありますが、とても素敵な案だと思っています。
小さな建築ですが都市の軸線を意識しました。分棟配置による屋外空間の創出、外壁のくすんだ鏡面仕上げによる増幅効果、周辺市街地への連動性などなど仕掛けがたくさんありました。「ゆらぐ森」という名前をつけました。
何よりも、アートの視点を持ったコンペである事が珍しく、そこには挑戦する意義がありました。
人や緑の動きがあって完成する建築としました。定期的に噴き出す霧(ミスト)に包まれた時に建築は儚く消えるものとなったでしょう。・・・っと、落選したのにクドいですね。やめます。
終わってみて、このコンペ自体に思う事がいくつかあります。
・審査員に建築家が不在でした。
・二次審査ではトイレンナーレとしての質疑が無かったです。アートの切り口がこのコンペの肝だったと思いますが、設計技術論が多かったように思います。
・大分県内の設計者しか応募できなかったです。地元の為ではありますが、アートの切り口を持った恒久性ある建築のコンペとしては?
・そもそものテーマである「ひらく」についても議論が展開されませんでした。
などなどあります。結果こそがすべてではありますが、コンペと言うのは多くの人に考えるきっかけを与えるものでもあります。参加した者こそ、多くを悩み続けなければいけません。まだまだ悩み続けたいと思います。
そして、選ばれた案が、多くの市民にとってよりよい案になる事を期待して楽しみに待つことにします。
この小さな建築は、大分の中心に建ち、市民が利用し、そしてひらいていくのだと思います。そのひらき方を問い続ける恒久性のある建築である事を祈ります。
アートと建築、そしてまち、どこで融合出来たのでしょうか?出来るのでしょうか?振り返れば、そんな事を語りかけていた気がします。建築に。
最後に、
このコンペは矢橋徹建築設計事務所との共同応募でした。矢橋さんは大分の大学で学び建築家を目指し、現在は熊本で活躍する若手建築家です。そして友人です。大分の設計者限定のコンペであったので共同応募としました。ベースの案も、模型も、彼とそのスタッフ達がつくっています。夜な夜な頑張ってくれました。一次審査が通った時は、あの震災の直後でした。自らが被災しながらも、一次審査通過を「明るいニュースだ!」と喜んでくれました。結果は残念でしたが私自身は、この時に彼らと多くを話し、多くを悩み、挑戦した事自体が財産となりました。
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