ぐるぐるめぐる素材の旅 / 8ninriki.jp
Reserch


2016.06.12
hatikome
ぐるぐるめぐる素材の旅


writer
満原さなえ

最初の投稿から土の話が多い私ですが、飽きもせず今回もそれにまつわるお話をさせていただきます。

 

我が家のまわりは田植えシーズンまっさかり。

この時期になると毎年、10年前のことを思い出します。

 

2006年6月、私が建築の仕事をスタートして初めて担当した古民家改修で、土壁を塗りました。

もとの壁を解体した土と、新しい壁泥を混ぜた土。

この年の梅雨は湿度が高く、長い雨が続き、梅雨真っ只中にみんなで塗った土壁の乾きが悪くやきもきしていたのですが、

荒壁塗りから10日後、壁から芽が出ていることに気が付きました。

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「なんだろうね~、草かな~?」とお施主さんと話しながら、気になった私は現場で余っていた土と一緒に壁から4本引っこ抜いて事務所に持ち帰り、

とりあえずそこらへんにあった灰皿での栽培をスタート。

するとその芽はぐんぐんと伸び、花が咲いて実り、穂をたらし・・・

そう!お米です!

古い壁土からなのか、新しい壁土からなのかはわかりませんが、藁と一緒に混ざっていた種もみが、なかなか乾かない壁の中で成長をはじめ、稲となり、米を実らせたのです。

名付けて土壁米(無肥料無農薬!)

 

最初に収穫した土壁米は50粒。

そのお米は種もみとして保存し、翌年1畳分ほどの田んぼで育て、秋には150グラムの籾が。

さらにその翌年は約0.5反足らずの田んぼに皆で手植えし、そこから収穫したお米は当時一緒に活動していた仲間たちと一緒にお昼ご飯でいただきました。

さらに翌年も、保管していた種もみでの田植えを行い、収穫し、また、みんなのお昼ごはんに。

そしてその藁も、籾殻も、しめ縄づくりや家づくりの一部に使いました。

 

稲という植物は、米、藁、籾、すべて余すことなく農耕民族日本人の生活に使われてきた歴史があります。

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お米を収穫した藁は建築の中では、壁土を発酵させるために、土壁のスサとして、竹を編むための縄として、草ぶき屋根の材料としても使われてきたし、

お米の殻である籾殻は燻炭にして断熱材として使用したりしてきました。

蓑、わらじ、むしろ、俵、おひつ、鍋しき、堆肥、家畜の飼料、猫ちぐら・・・

衣食住、これほど日本人の生活と切り離せないものはない、と思います。

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時、場所、状態、、、いろんなところをぐるぐるめぐる素材の旅。

「素材の無償性」という言葉を以前の投稿で紹介しましたが、こういう言葉やいろんな経験を見つめ直していくと、本当は、モノってそんなに数多くいらないのかもな~と、

頭の中ぐるぐるめぐり、素材の扱い方を学ぶ旅に出たくなります。





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