素敵なビル5 / 8ninriki.jp
Reserch


2016.06.14
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素敵なビル5


writer
岡本つよし

都市部の川面に沿う老練ビルは入り口正面ばかりに気を取られる傾向がある。
使われない、見られない、臭う、そんな河川側に意識とコスト掛けている場合でない事が理由。
結局、河川側の建物裏は「ブサイク建築」。それは「水辺は汚い」という印象にリンクする。

 

例えば、市の面積1割を河川が占める大阪市。
その中心部の水辺エリアである堂島や中之島、谷町界隈。
東京都心部もそんな状況。

 

高度成長期に突貫した高速道路の弊害〈=暗渠化イメージ〉。
水害対策で治水路と化した弊害〈=人工的イメージ〉
河川利用の許認可が簡単でない弊害〈=治水管理・治安イメージ〉。

 

水運が盛んであったかつてと違い、現代の都市部河川は「見られぬ、気にもされぬ」という位置付けが多い。つまり景観・意匠面において「使われていない」という話。結果、水辺側のデザインは無造作に並んだエアコン室外機、物置など「見せたくないモノ」オンパレードな裏側ブサイク建築が多いのですが、今回ご紹介する建物は福岡市中心部の「水辺ビル」としてオススメのひとつ。築46年モノ。水辺に開けた「素敵なビル」です。

 

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毎日福岡会館 〈ファサードの肝である低層と中央にひと工夫、ブラインド交換だけでもガラリと映える〉

 

ビル中央部を境に南側は毎日新聞社、北側は西鉄系ホテルという2つの顔を持つ。低層のスカイラインはビル全体の重心を下げ安定感がある。
仮に南北の中央軸、低層部を中心にファサードをリノベするだけで魅力は増す。そもそも建物外観ボリュームが船舶っぽいので、ポンツーンを併設して宿泊客にクルーズ観光を提供しても面白い。そもそも観光資源に乏しい福岡市。海側の物流拠点はいまさら無くせないだけに、水辺クルーズもアリと妄想。とは言え先日、本建物は再開発目的で地場デベが取得済。水鏡天満宮含め、一帯再開発の対象で解体も時間の問題と思われる。

 

自身、かつて属した事務所絡みで参画した大阪の水辺のまち再生PJしかり、東京における昨今賑わいを見せる河川水辺系イベントしかり、都心部における水辺の魅力再発見=都市ブランド力のひとつとして官民あげて注力しています。かたや福岡市内の河川沿いは、前述の暗渠的なイメージもなく、案外面白くも水辺を取り入れた建築や空間が存在。割りと水辺の取り入れ方が上手い方なのですが、一般的には日常すぎてあまり水辺の魅力に気づいていない。まして東京都心部や大阪市内中心部に比べ、福岡市は海も極めて身近な存在。海岸線距離は政令市で3位でもある。これもまた福岡の日常な件。

 

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福岡市内、某市営住宅からの日常眺望。近隣外資系ホテルのオーシャンビューと基本同じ、という件。

 

ココを起点に、福岡市中心部の河川と建築、不動産利用がより活性化。水辺都市「福岡」として街の魅力UPに繋がることを期待したい。
そして、ココに限った話ではなく「水辺に絡んだ」モノゴトに改め参画してみたいとも思う。
仮にもアムステルダム、ベネチアのような水都になれる可能性は秘めている。
Monocle誌「住みやすい都市」での上位ランキングに掲載されました、的な論調は一旦置いときまして。
普通に「心地良い、だから住みたい」というシビックプライドに昇華させたい。

 

福岡市は工夫次第で水辺系の景観ポテンシャルを活かすこと可能な「地方の大都市」なのです。

 

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約12年前のワタクシ@大阪中之島の水辺イベント。前を見据え何を思う〈笑〉

 





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