石原祥充 石原野枝 / 野乃窯 / 8ninriki.jp
Reserch


2016.06.23
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石原祥充 石原野枝 / 野乃窯


writer
小林 哲治

土の記憶のような器をつくる人がいる。

 

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それは福岡県宮若市に暮らす石原祥充さん野枝さんご夫妻。気付けば出会ってもう10年で、それは野乃窯(ののかま)の歩んだ歳月でもあった。

 

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初めて器を見た時の印象は今でも覚えていて。

鈍く光る塊に、まだ土らしさが残っている。そう感じるのは、土の扱い方によると思われ。自然界から土を材として貰い受け、そこに人の手としての線と、器としての貯める形を与え、わずかにこちら側(人工の世界)へずらしたような物だった。

 

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「どうすればその状態で停められるのだろうか?」

形を与えるとういう傲慢を感じさせない器たちを見ていると、作り手としての疑問がわいてきて、彼らの真剣さと勝負の仕方に目を見張った。

 

 

 

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あれから毎季節に届けられる窯開きの葉書。しかし忙しさにかまけて、会いに行けるのは年に1回あるかないかだった。そして久しぶりに訪ねてみると、二人はいつも笑顔で迎えてくれて、手作りのお菓子とコーヒーと、あの器たちでもてなしてくれる。

これは前に聞いた話だが、彼らはどこへ出かける時にも、必ず器たちを連れて行く。そして車中で水分補給をする際にそれらを使い、決して紙コップは使わないという。横着な私などではなかなかできない所作である。きっと、つくるだけでなく、つかうことにもこだわることで、そうでないと進めない道が彼らには見えているのかもしれない。

 

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取材を兼ねた今回の再会も、可愛いどら焼きとコーヒーでもてなしてくれた。

 

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そして話が長くなりすぎて、おかわりにお茶をいただく。器を手に取り口に運ぶたびに、味わう喜びを感じさせてくれる。良いものが持つ力だ。

 

 

 

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時間がある時には、坂の上の工房を見学させてもらうこともある。

この日は春の窯炊きの最中だった。登り窯がまだほんのりと温かい。これから焼き直しの火を入れるそうだ。きっとこの工程でも、いくつかの器はだめになってしまうのだろう。そう、一年で焼ける回数は限られていて、納得がいくものに仕上がるのはその中の一部でしかない。

 

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その難しさは作業場から伝わってくる。経験の積み重ねしかないのだと、道具たちは語っているようだ。

 

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そして庭先には、何かの理由で叶わなかった器たちがじっとしていて。

 

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それらは以前と異なった関係で、自然とつながっているようでもあった。

 

 

 

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さて、次に会えるのは、また来年だろうか。

次はどんな器たちに、会えるのだろうか。

 

 

 

野乃窯

場所:福岡県宮若市山口1089

電話:0949-52-2052

※若宮ICから車で約5分





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