究極のハイブリッド建築? ~バワ建築に会いに行く 松澤編~ / 8ninriki.jp
Review


2016.10.31
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究極のハイブリッド建築? ~バワ建築に会いに行く 松澤編~


writer
松澤徹

だいぶ時間が経ってしまいましたが、トロピカル建築の巨匠、ジェフリー・バワの建築を巡るツアーのご報告。新田編に続いて松澤編です。

 

世界に行ってみたい国は数え切れない程ある中で、そんなにしょっちゅう行ける訳でもない海外旅行。そんな旅先にスリランカを選んだのは、ジェフリー・バワという建築家が、世界中の著名な建築家から熱い注目を集めている事。にも関わらず、写真で見る限り、ごく一般の現代建築と何が違うのか、今ひとつ理解ができなかったという事。

自分の理解の及ばないものを、実際に感じる事で何かを掴むことができるのではないか?そう思っていた矢先にお誘いを頂き、これは何かの啓示であると、勝手に思ってしまったからです。

 

というわけで、とにかく降り立ったスリランカの町。
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町の雰囲気はインドにかなり近い。(行ったことないけど)

貧しくも活気に溢れ、クラクションと人々の喚く声が絶え間なく響く、個人的に大好きな雰囲気の町でした。

 

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もちろん危険な匂いの漂うエリアもあって。。

 

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一見怪しそうな顔のおじさんのトゥクトゥクに乗って行くと、やっぱり怪しげな店に連れ込まれそうになったりもありましたが。。
そんなちょっと危険な体験も旅の醍醐味。

 

 

怪しいと言えば、お約束のバッタもん。

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「BOSE」じゃないよ、「BLISS」だよ。

 

 

 

 

そんな事よりバワ建築レビューでした。

 

【NUMBER 11】

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こちらについては新田レポートでしっかりと書かれていますので、ささっと流します。(なんかがっくりうなだれてる奴がいますが)

 

 

とにかく光のコントロールが秀逸。

 

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明と暗のコントラスト、白い壁を廻り込む光。。。

 

僕の下手くそな写真では表現しきれない、この場に立たなければ感じる事の出来ない、得も言われぬ高揚感。
やはりバワは凄かった。。。

 

 

 

街の喧騒を離れ、世界遺産の城塞都市、ゴール地区へ。

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田舎の方はのどかなものです。

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第一野良牛発見。

 

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地引網など。

 

 

そして今夜の宿に到着。

 

 

【JETWING LIGHTHOUSE】

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こちらも新田レポートに詳しいので、ささっと行きますが、とにかくこちらでも、『暗→明』・『閉塞→開放』という現代建築の王道的手法をこれでもかと多用し、訪れる人々の精神を開放へと導きます。

 

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3階フロアに水盤を設けるなど、さりげなくアクロバティックな事も、(実はかなりのエネルギーをかけて)やっている。

 

イギリス統治時代を思わせる屋根・外観。モダニズム的、装飾の無い柱・梁で構成された空間の中に、昔からそこにあった岩や、地元アーティストに依頼した置物、階段手摺代わりのオブジェなど。

 

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※この階段手摺のオブジェ。戦で死んだ兵達が天に登っていく姿を描いている様に見えました。

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【写真でひとこと募集中】

 

 

現代建築の手法を用いながら、その土地本来の姿を活かし、伝統的建築物のディテールも駆使し、どこか懐かしさ、暖かさを感じさせる。
どうやらそれがバワ建築の真骨頂の様です。

 

 

 

そして最後の夜に宿泊したホテル。

【THE BLUE WATER】

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JETWING LIGHTHOUSEとはまた違う趣を持つこのホテルですが、ほぼ同時期に作られていて、設計期間もラップしていたのでは無いかと思われる、晩年の作品です。

 

しかし不思議なほど、コンセプトの違う2つの建築。

前者に多用された暗→明・閉塞→開放といった手法は、あまり顕著には見られません。

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その代わり、より強く自然(外部)と内部の一体感を表現されている様に感じます。

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水の流れまでもが内と外を跨いでいる。

 

 

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建具も無い共用部は、実際どこまでが内部でどこからが外部なのか、はっきり判別が付かない。

 

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そして中庭に無数に植えられたヤシの木や、オープンな空間に林立するコンクリートの柱の連続が、果てしなく外に広がり続け、自然と一体となっていく感覚を増幅させる。

 

ヤシの木一本一本の配置まで、詳細に図面に記載されていたそうです。

 

 

 

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暗→明 もちらほら。

 

 

Processed with Snapseed.

エントランスから入るとすぐに目に入るのは、「ブルーウォーター」とは程遠い、現地の周辺環境を思わせる様な茶色い水。

 

 

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そして楽園(BLUE WATER)にたどり着く。という演出。(これには最初、僕には全く気づけませんでした。)

 

 

 

ジェフリー・バワの建築。

それは、現代建築(モダニズム)を学んだバワが、スリランカの土地で育った日常の風景や雄大な自然(バナキュラー:土着性)をかけ合わせて生まれた、

『究極のハイブリッド建築』である。

 

自分の中でそういう結論に達し、スリランカを後にしました。





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